学校の働き方改革 現職審議会

記者会見

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日時:11月6日(月)14時~15時

会場:全国町村会館 第2会議室   

参加:現職審議会メンバー      

 

中教審「第7回 学校における働き方改革特別部会」前に記者会見を行い、約30人の報道陣を前に緊急提言を発表しました。

  


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【会見原稿要約】

 

斉藤 ひでみ(部活改革ネットワーク)
斉藤 ひでみ(部活改革ネットワーク)

部活改革ネットワークの斉藤ひでみと申します。

僕からはまず、僕たちが現職審議会を設立した、経緯と思いについて2点お話しします。

 

まず1点目として、僕は教員になって数年間、毎年のように心の病で休職したり、退職したりする教員を見てきました。先日会った同期の教員は、月の残業時間が200時間だと言い、もうこんな生活下りたいと力なく笑っていました。教員の生活は、このままで良い訳はない。何とかしないといけない。でも何もできない。

 

そんな中、今年度にある団体が、教職員の働き方改革を求める署名運動を行ないました。中教審での議論も始まりました。僕は、ようやくこれで教員の働き方が変わっていくのではないかと、大きな期待を寄せていました。

 

実際に中教審の審議を見ようと、傍聴に足を運びました。しかしそこで見たのは細々とした議論ばかりで、期待したようなものではありませんでした。また議論を行なう委員の中に、現に苦しんでいる現場教員が含まれていないことに、とてもがっかりしました。それを見たときに、この中教審の議論が続いている間に、当事者として苦しんでいる僕たちが、声を大にして本音を訴えないといけない、そう強く思ったんです。

 

僕たちが求めるのは、この提言に表すように、中教審の場で、もっともっと抜本的な改革について話し合ってもらいたいということです。

 

2点目として、一方で、皆さんにどうか分かって頂きたいのは、僕たちは自分たちの生活や権利のためだけに発言している訳ではないということです。僕たちは教員として、目の前の生徒や、日本の未来に責任を持ちたいと考えています。そのために、僕たちは教員ですから、やはり何よりも授業で、生徒たちを育てたいのです。

 

実際には、勤務時間を過ぎて事務仕事を行なったり、部活を行なったりしている中、準備不足のまま授業せざるを得ない事が多々あります。僕はそのような学校内の様子を間近に見ていて…本来打ち込むべき仕事が一番疎かにされている、このままでは日本は本当にダメになると感じています。

 

僕たちに今一度、授業者としての誇りを持たせて下さい。また、最初に述べたように、人間として最低限度の生活を送る時間を、ゆとりを、与えて下さい。

 

その2つの思いを持って、僕ら7人は集まりました。

 

 

 

では、ここで具体的な提言内容について、説明させて頂きます。僕からは、①給特法の改正 についてです。

 

中教審の皆さん、給特法の改正について、議論して下さい。

 

教員の働き方改革をうたう審議の中で、給特法改正について議論しないというのはありえません。仮にこれを議論しないで審議を閉じるとすれば、この中教審というものは単なるパフォーマンスであって、僕たち教員のことを考える気持ちがゼロであったということになります。

 

給特法というのは、教員には時間外勤務を命じない、だから時間外手当は払わないという法律で、その代わりとして給料に4%が上乗せして支払われています。今から46年前(1971年、昭和46年)に出されました。誰が見ても分かるように、現在の実態とかけ離れています。しかしこの法律がある事で、僕たちがいくら時間外に勤務しても、全ては「教員が自ら望んで行なった自発的活動だから」と片付けられてしまっています。過労に倒れても、自己責任です。

 

4%のパーセンテージを現状に合った形に見直せと言いたい訳ではありません。僕たちは、お金が欲しくってそんなことを言っている訳ではないからです。残業には、ちゃんと残業代が出る法体系に変え、そのことで今の無限の残業に歯止をかけて欲しいということです。

 

給特法を抜本的に見直す議論をしてもらうこと、それを僕たちは求めますし、中教審の皆さんに期待しています。

 


世良 蘭丸(部活改革ネットワーク)
世良 蘭丸(部活改革ネットワーク)

部活改革ネットワークの世良と申します。本日はありがとうございます。よろしくお願いします。私からは ②過熱した部活動とその改革 についてお話させていただきます。

 

部活動には光と闇があります。光の部分つまり意義については当然あり、いまさら語るまでもありません。私も約20年間、部活動に情熱を注いでやってきましたし、誰もが否定しない所です。しかし、闇の部分についてはどうでしょうか。近年語られるようになるまでは、ほとんど話題にならなかったと思います。部活動の闇は、意外なほど深いです。何事もそうですが、物事を一面的にとらえていては、問題は解決されませんし、むしろ悪化していきます。部活動もこの20年間でさらに過熱していきました。部活動の改革を進めるためにもその闇の部分つまり問題点については、しっかりと情報を共有し、改革していく必要があります。

 

私自身、長年部活動顧問をしてきましたが、それは教師として当然の職務であると思い込んでいました。でもそれは実は違っていたのです。部活動の正式な位置づけは教育課程外の生徒の自主的・自発的活動です。しかし自主的な活動といいながら、生徒や教員に強制されているという現実があるのです。そしてそのことで苦しんでいる生徒、保護者、教員、そして教員の家族がいるのです。

 

生徒についていえば、休日の活動や朝練などから十分な休養が取れず、疲労がたまり、授業中に眠るなどの集中力の低下を招いています。部活に入らずに学校外の習い事に打ち込みたい子どもたちや、自宅で勉強したり、ゆっくり過ごしたい子どもたちもいます。しかし、強制入部によるおよそ2年半の不当な拘束により、心身に深刻なダメージを負ったり、不登校になったりする被害を受けている子どもたちもいます。生徒への入部の義務づけは、学習指導要領に定められた部活の趣旨に反しているばかりか、子どもの権利と自由を奪う行為ともいえます。過熱した部活動においては、体罰のみならず死亡事故まで起きています。こうしたダメージは生徒だけではなくその保護者にものしかかっています。それは心理的・時間的・経済的負担です。

 

教員も部活動によって苦しんでいます。先ほど申し上げた通り、そもそも部活動顧問は教員の正式な職務ではありません。しかし現場ではこの事実に蓋をするように、全員顧問制が敷かれて、やるのが当然という無言の圧力となっています。つまりボランティアであるはずの顧問が法的根拠なしに事実上強制されているのです。部活動はその大半は勤務時間外に設定されています。これは仕事が終わらず、残って働く残業とは明らかに違います。つまり違法労働といっても過言ではありません。とりわけ、朝練・放課後や土日の部活指導により教師は多忙を極めています。これにより、授業の質が低下したり、生徒と関わる時間が減少したりするなど、生徒に大きな不利益が出ています。「部活で忙しくて授業の準備にまで手が回らない。」「もっと良い授業をしたい。」「補習してほしいと言われても、放課後に教える時間すらない。」「勉強の苦手な生徒を助けてあげたい。」「土日も働きづめで心身ともに疲弊し、家族との時間すら満足にもてない。」このように、部活動よりも本来の教師の仕事を優先させたいという情熱をもった教師は実は多いのです。だからこそ、放課後は部活指導ばかりに拘束されるのではなく、教師自身の裁量で使える時間が必要なのです。

 

そのためにも学校の部活動は、「活動の機会を保証する場」としての原点に立ち返り、エリートを目指した競争原理に基づく活動は外部に委ね、段階を経て最終的には完全外部化していく方向が望ましいと考えます。中学・高校のみならず、一部の小学校では現場の判断で部活動が実施されています。学習指導要領に記載がなく、行う必要がないにもかかわらず、現場で強制されているのです。小学校の教員にとっては、児童下校後の放課後は翌日の授業の準備ができる貴重な時間ですが、そこに部活動を入れてしまっているのです。これではいつ授業の準備をするのでしょうか。

 

部活動は教員の長時間労働を常態化させ、そのことで教員の生活や心身の健康は確実に壊されています。このような過重労働によって過労死さえ起きています。それでもほとんどの教員は子どもたちのために、自分の時間や家庭を犠牲にして部活の顧問を引き受けているのです。教員の善意を頼りに、ボランティアを強制し、教員の犠牲なしには成立しえないほどに部活動は肥大化してしまっています。

 

こんな異常で違法な部活動の在り方を改革せず、今後も存続・維持させていってよいのでしょうか。部活動による弊害は想像以上に大きなものになっています。改革に向けた動きはすでに始まっていて、「部活問題対策プロジェクト」によるいくつかの署名活動も行われています。昨今多くのメディアが部活動の問題を取り上げてくれていて、世の中に改革の風が吹いています。しかし現場では全くといってよいほど無風です。自治体や学校現場の自浄作用は想像以上に脆弱です。過熱した部活動の改革は急務です。資料にある通り3つの提案をさせて頂きました。文科省による指導を引き続き求めます。

 


田久保 正祐(教働コラムズ)
田久保 正祐(教働コラムズ)

皆様、本日はお時間をつくっていただき、ありがとうございます。教働コラムズの共同運営者、田久保正祐と申します。ツイッターではホワイト先生!と名乗っております。

 

さて、私からは ③ReadyTime休憩時間 と ④児童生徒の在校時間 の件をお話しいたします。

 

学校の教員の仕事というと、どのようなイメージを持たれますか? おそらく、教室で、教壇に立って授業をしているところだと思います。ですがこの授業は、ぶっつけ本番ではありません。それなりに準備が必要なのです。

 

ところで、教員の標準的勤務時間は7時間45分です。一方、児童生徒はどれぐらい学校にいるでしょうか。だいたい、登校して朝の会・ホームルームが8時30分、そして帰りの会、ホームルームのあと、放課までは約7時間です。つまり差し引きは45分です。これで授業準備ができるはずがないのです。

 

それでは、こちらの表をご覧ください。右側にもあるように、授業そのもの以外の仕事も、教員になって初めてわかることですが、実は多いのです。日常的なものはここに挙げた通りです。このうち校務分掌というのは、学校運営の仕事の分担のことです。生徒指導や進路指導などがその例です。加えてさらに突発的に別の仕事が入ることがあります。  こうしてみると、教員の仕事においては、一番の基本である授業が「氷山の一角」になってしまっているのです。

 

一方で、先に斉藤が申しあげたとおり、給特法があるので、時間外勤務は存在しないことになっています。しかし、時間外勤務をしないと仕事が回りません。基本の授業準備さえ終わらないのが現状です。

 

よって、多くの教員が「自発的に」遅くまで学校に残ったり、あるいは表面的には早く退勤しても、仕事を持ち帰っていたり、休日を返上して仕事をしている実態があるのです。

 

今までこれでできたじゃないか、と言われるかもしれませんが、こんな実態が今まで放置されてきたことがそもそも異常なのです。

 

ですから私たちは、ReadyTimeという教室に立つ以外の業務に専念できる時間を、制度として設けてほしいと考えております。

 

また関連して、教員の勤務時間に合わせて、児童生徒の登下校時刻、もっと言えば校内滞在時間を決めてほしいのです。

 

合わせて、「休憩時間」も制度として確立してください。教員には昼休みがありません。小中学校なら給食指導、高校でも生徒対応などで、この時間に席を外したり、ましてや校外で過ごすのは不可能なのが実態です。

 

【ReadyTime】

 

それではReadyTimeについてお話しします。現在、中高では6時間中4~5時間、小学校ですと、高学年の専科を除けば、担任の先生ははほぼ全て授業が入っています。授業準備をする時間がありません。対してこの表は、毎日のサイクルとして授業の準備などがその日に完結する前提の提案です。

 

青で示したところがReadyTimeで、休憩と合わせると6コマ中3コマになります。これが多いと感じられるかもしれませんが、私自身は今、実際一日2コマの空きだと仕事を回すので精一杯で、まず休憩時間は取れません。きちんと休憩をとろうとすると、このぐらいが限界です。

 

【休憩時間】

 

次に休憩時間についてです。勤務時間7時間45分の場合、法律上は45分の休憩が必要になります。学校は50分単位の授業で動くところが多いので、細かいところはさておき、それに合わせて1コマ分を休憩と想定しています。 【児童生徒の登下校】  最後に、児童生徒の登下校時間、学校にいられる時間の話になります。なお、これは、部活動の外部化が実際に行われた場合、という想定です。

 

みなさん、児童生徒が朝、学校に入れる時間が何時ごろで、教員の勤務開始時刻よりどれぐらい早いかわかりますか?

 

朝の開門時刻、すなわち児童生徒が校内に入れる時間は教員勤務開始よりかなり早いのです、特に、高校から中学、さらに小学校と年齢が下がるほど、安全管理責任ということで、教員が早出しなければならなくなります。

 

また最終下校時刻は主に部活のため、教員の勤務終了時間よりはるかに遅くなります。

 

たとえば私の勤務校の場合、開門は勤務時間の1時間半前、最終下校は勤務終了の2時間45分後に設定されています。そしてここでも、労務管理上は「朝早い出勤も、部活後の退勤も、各教員が『自発的に』行っている」ことになってしまっているのです。

 

私たちは、教職員として、本来の勤務時間の中で、その代わり100%責任をもって児童生徒の教育活動に当たりたいと考えています。ですから、この表のような設定を求めているのです。

 

それでは、引き続き小阪の方からお話しいたします。

 


小阪 成洋(部活問題対策プロジェクト)
小阪 成洋(部活問題対策プロジェクト)

⑤違法な労務実態の是正 についてお話いたします。ご覧ください(表を提示)。私が小学校勤務時の、ある1ヶ月のおよその勤務時間記録です(31連勤・残業200時間以上)。当時は必至にやっていました。でも、退職して思い返すと、自転車操業になっていて、子どもたちに申し訳なかったと思い返されます。もっと質の良い教育を提供することができたはずだ、と思い返されます。しかし、いま当たり前に教員がやっている仕事を維持したままでは、勤務時間内にはおさまらないだけの仕事量があります。8時には子どもたちが登校してきますので、遅くとも7:30には出勤です。6時間目が終わって3時30分です。すぐに部活があって5時半に終わります。この時点で10時間働き通しです。職員室に戻ると大量の事務処理や保護者対応が待っています。これが終わると夜8時、9時です。そこから翌日の準備をします。といっても、10時30分までが限界です。朝から15時間、休憩なしです。これだけやっても、不十分です。じゃあどうするかというと、土日に部活が終わった後、そこで1週間分の準備をします。

 

教員というのはとてもやりがいのある仕事ですから、誠実に子どもに向き合おうとすれば、どれだけでもやることを見つけられます。また、それが求められる仕事です。それに応じようとすれば、月200時間の残業が必要でした。私は限界まで勤めて退職しました。長く続けていたら死んでいたと思います。 こうして、過労死ライン越えの教員は小学校で3割、中学校で6割です。

 

私は、長時間労働の解決策として、校長先生から助言をもらいました。「手を抜け」と言われました。手を抜くしかない。どうしようもないところまできているということです。

 

また、ある時には、校長先生から、「小阪君、80時間以上の残業記録は困る。書き直してよ」と言われました。

 

それでも正直に記録して提出すると、校長先生に呼び出されて「80時間以上だと迷惑だ。市教委には、君が勝手に残業をしていると報告しておくから、承知しておくように」と言われました。

 

私の場合はまだマシな方です。私の様に在校時間の記録をとっている学校は1割しかありません。他9割は、記録をとっていません。中教審でタイムカードが話題になっていますが、出勤した時だけタイムカードを通して、帰りの時刻は記録してはいけない。そんな学校があるようです。

 

教員は、過労死ライン越えの仕事が苦しくても、学校内ではその声は叩き潰されます。ヘルプを出せる場所がありません。人事委員会も公平委員会も機能していません。そこで、第三者的な労基署のような専門機関が必要です。

 

私の知り合いに、過労死教員の遺族がいます。教員が過労死した場合、労災申請をしてもほとんど通りません。労災は公立学校の場合は公務災害といいます。教員は、仕事をした時間と仕事内容の記録が残っていないため、まず通りません。

 

また、公務災害申請をしようとしても、校長先生に拒否されてしまうことがよくあります。管理責任の過失を問われるんじゃないか、と拒否されます。しかし、実際には責任は問われないので、管理職は拒否しなくて大丈夫です。管理職に拒否されて頓挫する今のシステムではダメです。第三者機関が必要です。一生懸命に子どもに向き合って過労死したり、身体を壊したりした教員への救済は必要です。そのためにも、第三者的な専門機関が必要です。

 


 【 メディア掲載 】

 

 

弁護士ドットコムNEWS「教員の働き方改革「中教審は抜本的な改革について議論を」現役教員が「緊急提言」」

2017年11月06日 16時48分

 

 

日本経済新聞「働き方改革 現職教員らが提言」

    2017/11/6 19:37 

 

毎日新聞「ブラック部活 NOの声上げ始めた先生たち」

2017年11月5日 06時30分(最終更新 11月5日 09時08分)

 

0テレNEWS24「現職教師らが緊急提言 働き方の見直しを」

2017年11月6日 21:08

 

上毛新聞「授業の合間に準備や休憩時間を 現職教員らが訴え」

[2017/11/06]

 

 

各誌面は掲載許可を得て公開しています。

 

2017.11.5 毎日新聞東京版(小国綾子記者)
2017.11.5 毎日新聞東京版(小国綾子記者)
2017.11.7 毎日新聞東京版(小国綾子記者)
2017.11.7 毎日新聞東京版(小国綾子記者)
2017.11.5 中日新聞朝刊
2017.11.5 中日新聞朝刊



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