これはまずい…「働き方改革」の審議を見てきた

斉藤ひでみ@kimamanigo0815

(高校教員)


 

中央教育審議会 の 学校における働き方改革特別部会

 

 

 百聞は一見に如かずということで、中教審の傍聴に行って来ました。

 8月29日(火)15時30分【中教審の働き方改革特別部会第3回】

 

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 会場に入ってまず驚いたのが、傍聴者の多さだった。120人の傍聴席がいっぱい。そもそも申し込みは5日間だったところ、定員に達したという理由で、実質2日間で締め切られた。定員を設けなかったらどれだけの人が集まったんだろうと思う。

 傍聴席には、傍聴後に記者会見を行なった、署名呼びかけ人の内田良氏や長沼豊氏、学校の過労死ご遺族の方々、また多くのマスコミ関係者が詰めかけていた。

 

 

 以下に審議の感想を述べる。

 大丈夫かコレと思った点、がっかりした点、希望を感じた点。諸々合わせて、大胆に点数を付けると20点といったところだ(100点満点)。

 

 

◯ 大丈夫かコレと思った点(審議のやり方)

 2時間の審議、と言っても資料説明等々を除くと「議論」の時間は実質1時間半だった。この日は16人の委員中14人が出席。単純計算だと、一人6分半の発言時間だ。結局「議論」ではなく各々が言いたい事を言う「発表会」と化していた。

 

 

◯ そんな中で希望を感じた点(妹尾さん)

 希望は、最年少委員の妹尾昌俊さん(@senoo8masatosh)の存在だ。特別に別紙で資料を準備し(そんな方は一人だけ)、袋小路に入りそうな議論に風穴を開けようと奮闘していた。「教育にとって大事と言い出したら、あれもこれも大事となって、結局仕事を減らす事はできない。どれも大事ではあるにせよ、そこに優先順位をつけるべきだ」「教員じゃないとやれない、真に教員がすべきことは何なのかという観点から、今学校が抱えている諸々の仕事を外部にも振っていく必要がある」旨を語った。

 「審議という名の発表会」は辞めにして、この妹尾さんの資料をたたき台に議論を深めたら良いのではないかと思った。

 

⇒妹尾さんの提出した資料

 

 

◯ がっかりした点(部活と給特法の議論が深まらない)

 なぜ20点という極低い点数をつけるのかと言えば、部活と給特法の問題について議論が深まらないからだ。多忙の最たる原因が部活動。また「無限の残業」の、諸悪の根源が給特法。部活の切り離しと給特法の改廃なしには、学校の働き方は根本解決されないと確信している。

 部活については、一応この日ある程度の時間を割いて「発表」がなされた。詳細は コラムズの記録 を参照してもらいたいが、満足できる審議にはほど遠い。

 給特法については、前の審議を傍聴した友人からの情報通り、議論すらされなかった。その他の部分で「精一杯議論しました」とお茶を濁して「給特法には触れさせない」という方針ではないか。友人は「文科省からの圧力を感じる」と語っていた。

 そんな中で、もう1人希望を感じた委員が 相原康伸さん だった(日本労働組合総連合副会長)。この日、相原さんだけは「給特法の議論は不可避」と明言していた。

 

 

◯ ネット上の反応が審議に影響を与えた

 総じてこの日、委員に不信感を抱くような発言はなく、各々が発言に気を遣っているように感じられた。前までの審議を傍聴していた友人の情報とは、少し様子が違っていた。

 その理由の一つとして、僕は「文科省も中教審の委員も、ネットの動向を見ている」が挙げられると思う。これは、確かな情報として耳にしている。

 「国民は見ている!」。そのことを、ツイッターやこうしたコラムを通して感じているに違いない。

 傍聴者の多さも、委員にプレッシャーを与えたことだろう。

 

 

◯ 緊急提言の発表

 この審議の最後に、「緊急提言」が発表された。

 ある委員は、「この提言は来年度予算では遅い。これからの時期、今年度の補正予算が組まれる。だからこれはそこに盛り込んでもらうことを期待して、あくまで“緊急に”まとめられたものである」ということを強調していた。緊急提言については、下の東京新聞の記事が分かりやすい。

 この会議全体の中間まとめは年末であり、その後も今年度中は審議が続くという。

  

 

2017.8.30 東京新聞 朝刊
2017.8.30 東京新聞 朝刊

 

 

◯ そして「秋の陣」へ

 審議にプレッシャーを与えること。これを継続して行なっていきたい。方法は簡単、折りに触れて、ツイートすることだ。可能ならば、傍聴に行くことだ。

 つまりこの審議の存在を忘れない事だ。どうか、これを読まれた皆さん。学校の働き方改革に関心を持ち続けて下さい。

 全ての始まりである「教職員の時間外労働にも上限規制を設けて下さい!」の署名も、10月末までは継続募集中だそうだ。夏の陣が終わっても、我々は負けない。

 次は秋の戦いだ。

 再度申し上げたい。部活動の抜本的見直しと給特法の改廃について議論しなければ、この会議に価値はない。

 委員の方に期待している。

 




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