中央教育審議会初等中等教育分科会 学校における働き方改革特別部会(第14回)

 

中教審 傍聴の記録

  

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 第12回 2018.6.20

 

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【中央教育審議会初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会 委員】

50音順

 

 

相原 康伸 氏

全日本労働組合総連合会 事務局長

 

青木 栄一 氏欠席)

東北大学大学院教育学研究科 准教授

 

天笠 茂 氏

千葉大学教育学部 特任教授

 

小川 正人 氏 ★部会長

放送大学教養学部 教授

 

風岡  治 氏

愛知教育大学教育支援専門職養成課程 准教授(2018年4月より.前職は豊橋市教育委員会教育政策課事務指導主事)

 

川田 琢之 氏

筑波大学ビジネスサイエンス系 教授

 

清原 慶子 氏

東京都三鷹市長

 

佐古 秀一 氏

鳴門教育大学理事・副学長

 

妹尾 昌俊 氏

学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー

 

時久 惠子 氏欠席)

高知県香美市教育委員会 教育長

 

橋本 幸三 氏

京都府教育委員会 教育長

 

東川 勝哉 氏欠席)

公益社団法人日本PTA全国協議会 会長

 

冨士道 正尋 氏

前小金井市立南中学校校長・全日本中学校長会 事務局主事

 

無藤 隆 氏 ★部会長代理

白梅学園大学大学院 特任教授

 

善積 康子 氏

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

政策研究事業本部 研究開発第1部 主席研究員

 

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稲継 裕昭 氏

早稲田大学政治経済学術院 教授

 

嶋田 晶子 氏

武蔵野市立第五小学校 校長・全連小理事・東京都小学校 校長会副会長

 



中教審 傍聴の記録

 

 

配布資料

 

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資料1-1 学校の組織運営体制の在り方について(これまでの議論の整理)

資料1-2 学校の組織運営体制の在り方について(論点の整理)【第13回配布資料】

資料2-1 労働安全衛生管理体制の整理について

資料2-2 参照条文(労働安全衛生関係)

資料3 教職員の健康管理と労務管理について(日本学校保健会提出資料)

 

 

参考資料1 学校における働き方改革特別部会 委員(名簿)

参考資料2 新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(概要)

参考資料3 経済財政運営と改革の基本方針2018~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~(平成30年6月15日閣議決定)【抄】

参考資料4 「学校における働き方改革特別部会」で今後議論すべき論点

 

後日 文部科学省公式サイト からも資料ダウンロードができるようになります。

 

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議題

 

1、学校の組織運営体制の在り方について

2、学校の労働安全衛生管理の在り方について

3、その他

 

 


 

※ 以下の記録は各委員の発言要旨を記載したものです。発言内容すべてを網羅できているものではない点をご了承願います。

※発言者のうち部会委員を、部会長を、文科省を、参考を臙脂で示す

 

ここから本議題

 

14時~16時 都道府県会館 101大会議室

(14時前だが、全員揃ったので早めに開始)

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

本日の配布資料について事務局から説明を

 

 

(事務局より、配布資料の確認)

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

それでは議事に入りたい。本日の議題は記載の通り、(1)学校組織運営の在り方について、と(2)学校の労働安全衛生管理の在り方について、の二点。中間まとめ公表以降、部会は組織運営、労働衛生、制度的措置の在り方を部会の柱として後半の審議事項として設定してきた。ここまで組織運営の在り方の議論が進んできたが、できたら整理して今日ひと区切りにしたい。そのあと2番目の議題について議論を進めていきたい。

今日は日本学校保健会の弓倉専務理事にお越しいただいたので後程紹介、意見交換したい。

それでは最初に(1) 整理した資料を用意したので、まず事務局佐藤企画官から説明。

 

 

●初等中等教育局 初等中等教育企画課 佐藤氏

(資料1-2参照) 

ここにこれまでの各委員の意見、また前回部会終了後にメール等で意見があったので、それらを踏まえて整理したものが資料1-1である。修正追記した部分を中心に報告する。

 

1ページ〇の二つ目(「したがって」から始まる項目)は加筆した。三つ目最後の行から2行目にかけての「また、勤務時間管理の徹底や適正な勤務時間の設定も学校が組織として行っていかなければらならい」を追加。さらに注釈1「学校組織マネジメントとは・・」以下を追加。

 

2ページ2つ目の〇①「日本の学校組織は・・」以下の部分で、前半は文言修正した 「若年者層が・・」と書いたが、「若年層を含めたすべての教師が・・」のように改めた。 

 

3ページ②事務職員 下から4~5行目 事務職員に過度に仕事がいかないよう、の先に「教育委員会との連携により、学校事務の適正化と」を追記した。3ページ下の〇(「また、これまで教師個人に・・」以下)は新たに追加した。

 

4ページ、前回部会は1ページだったが、大幅に加筆した。ひとつめの〇(「各学校は」以下)だが、「校長や教育委員会が主導して、各学校や地域の実情を踏まえつつ、委員会等の組織や担当者等の校務分掌について」を追記。ふたつめの〇(「教師個人に細分化して・・」)主幹教諭の担当授業時数について示した。 また「国は」以下で「主幹教諭を配置することで副校長・教頭を含め教師の業務負担が軽減され、実際に長時間勤務是正につながる効果的な学校が運営が行われている好事例・成果」と明確にした。その下二つ〇(「その際、国は・・」)〇(「また、これらを踏まえて、・・」)は今回追記した。

 

5ページ目 事務職員 のところで同じく「事務職員が校務運営に参加することで」に次いで「副校長・教頭を含め教師の業務負担が軽減され、実際に長時間勤務是正につながる効果的な学校運営が行われている好事例・成果を収集・提示する」、までを明記した。下から2つめの〇(「チームとしての学校」・・)を追記した。最後の〇(「保護者や地域住民等が・・」)は3ページの趣旨同様、保護者や地域住民の積極参画を明記した。

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

かなり丁寧に意見を反映したと思うが、意見があればお願いしたい。なお、この件の議論は今日の部会で一区切りとするので、今日いただいた分は最終的取りまとめに反映するということでご了解願いたい。

 

 

●富士道 正尋 委員(前小金井市立南中学校 校長・全日本中学校長会 事務局主事)

5ページ 一番上の〇にある、「副校長・教頭の業務も含め教師の業務に対するサポートスタッフの充実を図るべきである」は、ぜひ進めてほしいが、危惧する点が二つある。

一つは、外のスタッフが入ることで、その方の管理や業務指導しなさい、ということで副校長教頭がかえって仕事が増えることにならないか。

 

もう一点は最終的に学校で探せとなれば、結局何のための軽減かわからない。国や教委が必要な支援があると書いてあるのは救いだが、探せとならないようにしてほしい。

 

 

●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)

4点ほど。一点目、4ページ下から2番目〇の中の「新規採用された教師が自信をもって教育活動ができるための必要な体制整備を進めていくべきである」という部分、 これは主幹教諭や指導教諭がしっかり役割果たすようにという文脈と思うが、それだけでは不十分と思うので、具体性が欲しい。さらに踏み込むと、小学校では初任者でも4月から担任を持つ。(小学校では95% 中学校では57% 高校では19%が新任で担任) 小中高で実態が違う。小学校では4月1日、入学式から重たい学級担任を持たされる、校務分掌は新任や臨時採用者も持たされる。企業の立場からすると無茶振りである。昔から言われていると思うが。子供の様子、家庭の難しさというあたりが難しくなる中、新採用が担任をするのは限界。ケアをどうするのか、定数改善も含めて見直す必要がある。新任に学級担任を任せなくてもいいように。

 

二点目。5ページ三つ目の〇で「校長等が行う学校組織マネジメントの手法を確認し、改善する仕組みを設けることも積極的に進めるべきである」 こういう文言が加わったのはありがたいが、教委や学校では何をすべきかわからない。関連する具体策があれば教えてほしい。これは教職員の声を校長に届けやすい仕組みを作らないと、教育長だけが校長のパフォーマンスを見るのが限界。

 

三点目は主幹教諭の役割が大きくなることに反対しないが、それがうまく機能しているか、検証するデータもない。本当に機能するには何が必要か、検証、分析してほしい。主任制度が中途半端だったというが、主幹がそうならない保証はない。

 

四点目、事務職員の負担軽減も、旅費や給与などルーティンは事務から離すことを検討してほしい。そうしないとなかなか経営参画も絵に描いたモチになるだろう。

 

 

●佐古 秀一 委員(鳴門教育大学理事・副学長)

主幹の配置ともかかわることだが、一点目、勤務時間がきわめて長いのは教頭であり、それが組織運営上大きな課題なので、勤務の実態を把握し対策にあたることは打ち出していいと思う。

 

二点目、この部会の昨年、学校の仕事の仕分けであり、学校でやらなくてもいい仕事をあぶりだし、地域や支援人材にわけること。そこでも議論されたが、それとの連携調整という作業が必ず出てくるので、それが推進できる人材がいないと、外部、支援を上手く活用できないので、そういう人を配置すべき。

 

三点目、勤務時間の把握管理改善となるときに、教員一人一人に任せても難しい。校内の教員の仕事の仕方や配分、勤務のアドバイスができる、それもミドルリーダーと思うが、配置してほしい。あるベテラン校長が「早く帰れ」といっても「これだけやらせてくれ」と教員が残ってしまう。教育の論理に取りつかれた状況を改善するには、教委がモデルを示しても改善しない。学校内に人を配置しないと。

 

四点目、組織マネジメントに関する今後だが、この部会との関連でいうと、教育の重点化と関連化をいかに図るかで見直す。てんこ盛りではなく、学校の課題と実情に合わせて焦点化していく。そういう方向性をもう少し出してほしい。

 

最後だが、主幹教諭の勤務軽減を明確化してほしい。0.5人ぐらいの気持ちにする。その分は代替の教員を充てる。「主幹教諭の定数化」までいかなくとも、負担軽減をし、配置してほしい。

 

 

●相原 康伸 委員(全日本労働組合総連合会 事務局長)

4ページ二つ目の〇 5行目「地域の実情に応じて促進」この点は適切かと思う。「十分に果たすことができる環境」も補強された。一律ではなく、がよい。主幹教諭も学校現場の実情。他の教員が持ったり、講師を雇うにもそれが難しい。そしてその忙しさを見ていると主幹教諭のなり手がいない。環境整備が重要であるのもその通りだが、「学校現場の実情に十分留意しつつ」とあったほうがよいのではないか。定数との関係にもかかわってくるところで、もう少し議論が必要ではないか。

 

 

●天笠 茂 委員(千葉大学教育学部 教授)

三つある。一つ目は小学校の外国語の時数増は専科対応が必要と思う。それをきっかけに、高学年の教科担任制のさらなる普及拡大を進めていくべきと思う。もちろんこれまでも小学校でどの教科をどのぐらい分担しているか調査を拝見するなど、それに無関心ではないという認識はしているが、外国語の時数増も専科で対応としていくのも方法である。教育活動の重点化と構造化。どのように、どこに、もっと入り込んでいく必要がある。現状は協働と分担、チーム学校という中に全てが溶け込まされたようになっており、協働と分担のメリハリをはっきりさせる必要がある。そうでないと、学級経営に全てが取り込まれる、そこにチーム学校で全て上塗りするとなると、入り込めない構成になっていることが気になる。本丸として、指導をどう分担するか。それを検討する必要ではないか。

 

続いて二つ目だが、1ページの「個業型」という言葉が出てくるが、私もたとえとして連合商店街とかいうことがあるが、ひとたび公式の文書に「個業型」と出ることに定義があいまいになり、一人歩きする可能性もあるので、丁寧に扱われる必要がある。学校内で「個業?自分とは違う仕事のやり方をしているが」、一方外部からは「一人が別々に仕事しているように見える」のようなことになってしまうのではないか。この文書内では使われていない言葉だが「組織文化」というのがあるのかと思う。組織文化の見つめなおし、新たなる構築、それが働き方改革だと思う。膠着化を招いてきたのがこれまでの組織文化であり、新しい組織文化の中に、働き方改革を提起するということ。

 

最後、国及び教委は必要な支援とあるが、これはコミュニティスクールのことを言っていると思うが、必要な支援というのも漠然とした言葉ではないか。3000校目指す、努力義務が法案化されているとなると支援ではなく、教委が決断という段階ではないか。それをこの文言だと時間が前に戻ってしまっている。今の時点の書きぶりがあるのではないか。

 

 

清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)

これまで議論してきた組織運営体制についての議論の一定の取りまとめとして受け止めている。委員の意見をかなり反映しているし、今日のものも含めて取りまとめるタイミングだと認識している。

そのうえで、とりまとめの意義について感じることをいくつか。

 

一点目 1ページ目の〇2つめの後半「長時間勤務を是正し、教師が児童生徒としっかりと向き合い、子供の可能性を引き出し、育てるといった教師本来の業務に専門性を発揮し、やりがいを持って働き続けられる環境を整えていくことが必要である」、これは当たり前のようだが、しっかりそこに書いたことで、管理職がリーダーシップをもって組織マネジメントをすることが不可欠。しかし遂行には教職員の意識や取り組みの共有を図るものであり、それが強調されていること。副校長・教頭に着眼したが、改めて「校長を中心に」、としたところも重要だ。

 

そのうえで具体的に三点。 4ページ2つ目の〇について。前の項目で「地域の実情を踏まえつつ」という文言があったが、主幹教諭配置についても地域の実情、ではないか。改革では各地域が教委を中心に望ましい教育の在り方を目指すので、地域の実情、は極めて重要。部会で一定の方向性を示したとして、地域で取り組むことが重要だ。

 

二点目。4ページ1つ目の〇、最後の三行で「国においても~べきである」 4ページ目下から2番目〇で「その際国は、」 のように国が一定程度示されている。5ページでも「国は、事務職員が校務運営に~促進していく必要がある」とここでも主語として国がある。国の役割分担が示されている点は、ぜひ実現されればと思う。

 

三点目、3ページ最後の〇 「学校運営協議会制度などを活用して、保護者、地域住民等が参画するプロセスを経て進めていくことも重要であり、そのための人材を確保していくことも求められる」また5ページ最後で「国及び教委は必要な支援を行うべきである」とある。表現はいろいろな受け止め方があると思うが、私が聞く市民の声では、「コミュニティスクールをやっているからゆえの、校長教頭、教員の負担はないか」というのがある。それは負担ではなく、実践のメリットは多々感じるので、それを負担と感じる、懸念する市民がいるのは残念なことと思う。現場には副校長補佐を置く、コーディネーターを置く、としている。教員、管理職の負担を減らす、だけではなく協議会、コミュニティスクールを進めていくのなら、人材に必要な在り方も含めて反映する、と読み取った。

 

 

●川田 琢之 委員(筑波大学ビジネスサイエンス系 教授)

資料1-1の内容について異論はない。部会の趣旨に則ってまとめたと思う。1ページ脚注で学校組織マネジメントの説明がなされているが、それを誰が行うのか、主体を示した方がいい。教育の分野で確立した理解があればその内容を、記載することを検討していただければ。それがないとすれば、学校組織の在り方を踏まえて、ここで提言していることをよりよく実現するためにどうすればいいのか、考えていくといい。

統制型より協働型のほうが適切という議論がされてきたことを考えると、校長を中心に主幹が支える、ウェイトのかかり方が違うにせよ、主体は学校の教職員全体がいいのかと思った。いずれにせよ、マネジメントの主体を明確に示すことを求めたい。

 

 

●嶋田 晶子委員(武蔵野市立第五小学校 校長・全連小理事・東京都小学校 校長会副会長)

まとめについては、よくわかるが、天笠委員から専科のことを言及したので、小学校の立場で付け加えたい。今後はそういう機会がないかもしれないので、どこまでまとめに入れられるかわからないが。これを読んで現場の教員は自分の仕事は何が変わるんだろうと思うだろう。事務職員の参画はこれからの方向は示し、主幹の配置もわかる。だが、いち担任が26コマを持ち、14学級以下の小学校では1~2しか専科がない。毎時間違う授業をし、外国語が入り、評価の仕方も変わる。組織運営について、専科教育についてどこかで考えてもらえないか。

 

 

●橋本 幸三 委員(京都府教育委員会 教育長)

主に4ページに関して。2つ目の〇で主幹教諭のことが書かれている。グループの中で主幹教諭を配置となれば、そこそこの配置につながると思うが、ミドル層が現実には年齢構想上薄い。そんなに多数の配置は難しいので、地域の実情と入ったことはありがたい。主幹が機能していくために何が重要かというと、主幹がたくさんの授業を持つとなると想定された役割がなかなか果たせない。それを果たせる環境整備が何より重要と思う。今は主幹も教諭も同じ定数内の措置になるので、主幹を増やしてあおりが教諭に行っては何もならない。別の定数になれば理想だが、10時間分の加配措置ではなくもう少し増やしていく対応が必要ではないか。

 

一番下に主任の在り方について検討、とあるが、主幹配置促進と裏腹かと思うが、地域の事情が異なる面があるので、一律的に考えるのではなく、地域の実情を踏まえた検討が重要。

専科の話があったが、担任がやるのか専科がやるのか文科省の方向性がはっきり見えない。それは示してほしい。

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

多くのご意見ありがとうございました。今日の意見をどのように反映するか、最終答申をまとめる際に検討させていただければ。事務局から何かあるか?(ない)

それではもう一つの重要な議題に進みたい。労働衛生管理について。基礎的資料について事務局から説明。そのあと弓倉専務理事からご報告願いたい。それに質疑応答、そのあとで全体の意見交換という段取り。

 

 

●健康教育・食育課 三谷氏

資料2-1、2-2を準備した。2-2は関係情報の抜粋なので、説明は2-1で行いたい。

(以下、説明のポイント)

・1ページ目、学校においてまず取り組んでいただきたい内容

・常時50人以上の労働者を使用する事業場と、10人以上50人未満では、求められる安全衛生管理体制が異なる

・ストレスチェックは、学校については事業場の規模にかかわらず全ての学校で実施するよう、文科省から通知、指導している

・公立学校の労働安全衛生管理体制整備状況は、概ね改善傾向にあるが、小中においては十分とはいえない

・通知等による指導のほか、啓発資料を作成し、都道府県及び政令市教委等へ配布した

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

事務局からの説明に対する質疑応答は全体の意見交換の場でお願いしたい。

それでは弓倉専務理事からお願いしたい。

 

 

弓倉 整 氏(日本学校保健会 専務理事)

(資料3 参照)

全国の都道府県学校保健会、全国養護教諭連絡協議会、全国学校保健主事会、校長会から構成され、2年後には100周年を迎える。基本的には子供たちの健康を扱う。労働安全衛生には三管理=作業管理、作業環境管理、健康管理がある。今日は健康管理について話をさせていただく。幅広くは難しいので、主に文科省資料を利用し、それを資料3にまとめたので、それに基づいて行う。自分は内科医で、複数の校医、産業医もしている。

 

まず8・9ページ資料 病気休職者割合、精神疾患の比率が上がっている現状を示す。精神疾患は長期療養になりやすいので、病気休職者及び一ヶ月以上の病気休暇取得者と分けている。校種別では小中学校及び特別支援学校、また女性の長期休職者が多い。精神疾患による休職者については、復職支援プログラムにかかわらず、38%が復帰 44%が引き続き休職、18%が退職となっている。

学校も労働安全衛生法に基づく労働安全衛生管理が求められている。大多数が50人未満なので、そもそも(常時50人以上の労働者を使用する事業場で求められる)産業医がいない。高校は大規模が多いのでいるが。学校の場合は学校保健安全法と労働安全衛生法の、二つの法律がカバーしていて、現場の運用で対応している。健康診断は80%ぐらい受けているが、そのあとの精密検査の受診率が下がってしまう。事後措置について、産業医のいない学校で、指導区分を決めるのは誰なのか、責任の所在があいまいである。教員の長期休職者が多いことと、産業医が配置されている学校が少ないこととの因果関係の有無はわからないが、可能性はある。推測だが、学校保健安全法の方が先に制定されているので、教員の健康診断はこちらに基づいているのではないか。

現状、企業労働者より、教職員のストレス度は高い。ストレスチェックも、50人未満の学校では努力義務である。

養護教諭が教員の健康相談を受けている現状もある。

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

弓倉専務理事からの報告について、質疑をしたい。

 

 

●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)

三点ある。一点目はいろいろな体制整備をしているかという調査はあるが、やっているかという調査はない。外形的なことを調査してもどこまでも意味があるか。かといって詳細だと現場から負担増の不満になるが。実行しているか調査はともかく、関心は持ってほしい。産業医は100時間を超えれば受けなさいとなっても、めんどうくさい、穴をあけられないなど遠慮して受けない実態があると聞いている。自治体によるのかもしれないが、本当に面接や診察を受けているのか実態把握の有無、指導を受けないことでの学校側へのサンクションがあるのか。

 

二点目。小中学校では休憩時間がほとんどない、これが健康管理に大きな影響がある。このあたりもどうにかしないと、いくら事後的な指導をやっても、しんどい、休憩できない方は増える。休憩時間の確保に向けてもう少し考えないといけないのではないか。

 

三点目。メンタルヘルスについては、保護者対応が重たいという話はよく聞く。一日平均7-8分と少ないが、非常に長いケースもある。これをどうするか。スクールローヤーという話もあったが、どこかから担任、学校から離すということを考えないといけない。

関連することがあれば教えてほしい。

 

 

●健康教育・食育課 三谷氏

体制整備と実際のことで、建前からいえば、法廷義務なので、適切にやっていただいていると思う。体制整備ができていないならやれていないのだろうと判断する。まずは体制整備からしっかりやってほしいと指導している。

面接指導ということだが、弓倉専務理事の資料1ページで、求職者への復帰プログラムがあるが、面接指導を受けないとそのステップに行けない。少なくとも必要な方には行われているのではないかと。

休憩時間については、こういう面からも、我々としては取り組んでいきたい。

 

 

弓倉 整 氏(日本学校保健会 専務理事)

体制整備の把握は文科省ではできていないだろう。都道府県教委があって、校長がいて、担当者によって考え方の違いがあり、そこを全国調査するのが難しい。都道府県か市町村教委単位で調べるしかない。休憩時間については働き方改革そのものであり、きちんとした体制を作ってほしい。

保護者への対応は5ページでメンタル不調の背景まとめの中にあるが、求められる業務と質と量の困難さの中に、そういったものも出てくる。保護者のみならず、生徒指導も大変だという声も出ている。

 

 

●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)

確認だが、面接指導が必要な方にできていなくとも、サンクションはないのか。

 

 

弓倉 整 氏(日本学校保健会 専務理事)

基本的にない。教職員のプライバシーにも触れる。一定時間を超えた教員は産業医に面接を勧められるが、受ける受けないは本人の自由と理解している。高ストレス者は10数パーセント。板橋区では学務課長へ報告し、フィードバックは個人情報に関するので本人のみになっている。

 

 

●妹尾 昌俊 委員(学校マネジメントコンサルタント、アドバイザー)

復職プログラムと言っても、そこまでいくと実際38%しか戻っていない。それ以前の段階の危ない人への対応が必要ではないかと感じた。

 

 

●富士道 正尋 委員(前小金井市立南中学校 校長・全日本中学校長会 事務局主事)

(先の文科省による資料2-1で)面接指導体制の整備状況というのがあるが、7割は高いと思った。しかし特に小中学校では勤務時間を把握してないのに、100時間を超えたら面接指導というのが7割あるのが乖離、疑問に感じた。

 

もう一点は、健康相談で養護教諭が多数応じている実態があるが、加えてスクールカウンセラーに直接相談しているケースもあることも付け加えておく。

 

 

●相原 康伸 委員(全日本労働組合総連合会 事務局長)

中間まとめ以降、重要事項を議論しているが、大変重大な現実を突きつけられたと再認識している。それを報告いただいたことに感謝申し上げたい。

率直な感想だが、数十年単位で職場管理が遅れている。民間においては様々あるので一律な条件は難しいが、産業医に委ねるのではなく、職場で自らのスキルを持って支え合うのが実情であり、それで来ている民間企業が少なくないが、それは時間管理ができているからである。

定数についてはハードルが高いので、あらゆる手段をもって対応しないといけない、部会として決意を固めないといけない。

 

 

●天笠 茂 委員(千葉大学教育学部 教授)

小規模校のことが提起されているが、実態の把握を丁寧にやっていく必要がある。学校の規模は大規模標準小規模とあり、働き方の実情を、データを丁寧にとらえる必要があると受け止めた。この国は大きな学校が半分、小さな学校が半分と整理できる。その複眼的なとらえかたの大切さ、必要性が出てきている。体制が整えられているところ、かたや小規模校の在り方があると感じた。そういったことを踏まえて議論していきたい。

 

 

清原 慶子 委員(東京都三鷹市長)

2-1の4ページ目に、通知等の指導が列挙されているが、現場で影響があったものを紹介したい。H29年6月22日付けで、都道府県教委等に出された「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査の結果(速報値)及び学校における業務改善に係る取組の徹底について(通知)」の中に、労働安全衛生管理体制の整備について、という項目があり、「産業医・衛生管理者の選任、衛生委員会の設置、長時間労働者に対する面接指導やストレスチェックの実施等の労働安全衛生法の規定は、公立学校にも適用されます。このため、各学校におけるこうした法に基づく労働安全衛生管理体制の未整備は、法令違反であり」と明確に書かれている。明確な指導が現場に改善を促すので、こういうものが必要。

 

市役所の職員は私が任命責任者、服務監督責任者。学校における教員は都道府県教委が任命、服務監督は市町村の教委が責任者。市職員にはできるが、学校教員には市長には権限がない。市町村が果たすべきものはどこまでなのか、今後、現場の状況に合わせて質を高めるためには必要。身分の扱いに特殊性がある中で、教職員の労働安全衛生管理体制の質を高めていくことが重要だ。

 

 

●川田 琢之 委員(筑波大学ビジネスサイエンス系 教授)

最初は健康被害のありうる型を見つけ出す、その型への対応をどうとるか、健康被害が起きた後に復帰をどう支援すべきか、ということで、それぞれ論議されるべきだが、資料3に関していくつか質問したい。

 

一つは、可能な限り現状把握が大事。やりすぎると現場に過剰な負担をかける。労働安全衛生管理では50人という数字が大きな意味を持っており、小中と高の差がなぜあるのかが、事業所の規模の差とすれば、それが労働安全衛生管理に影響を与えるのではないか。50人以上、未満の学校がどれぐらいあるか、知るのが重要ではないか。

 

3ページの数字について、可能であれば、実際の運用状況がどうかというのは重要だ。面接指導について、100時間、そもそもカウントできていなかったのではないか。それは私もそう思う。

 

弓倉さんにうかがいたいのが、7ページあたりで 養護教諭か体育教師が衛生管理者であることにどのような考えがあるか。もう一つは、法律的観点からは職場における被害を避けるべき、安全配慮義務がある。学校における管理職の役割について、それが重要な点になりうると考えるが、どうか。

 

 

●善積 康子 委員(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部 研究開発第1部 主席研究員)

養護教諭が一人というリスクを実際に見た。養護教諭がインフルエンザでダウンした例。給食の時、アレルギーのある児童の食事を担任が仕分けるが、それを見落とした事例。これは校長がフォローに入った。学校はリスクに弱い、リスク対応に弱い、いろいろ問題を起こし、それに対して教員が時間を投入し、ストレスになってしまう。いろいろチェックする習慣が身についていない、それが問題を引き起こしている。職場内人間関係がストレスの一つになっている。たとえば部活をしたくないけどしないといけない、慣れていない部活をすることでストレスになる。職場の中のハラスメントではないが、早く帰る教員が周囲に遠慮して帰りにくい、遅くまで働くのがよいとする風土があり、そういったものも影響している。校長のマネジメントが高まらないと解消しないのかもしれない。体制の話ともつながるが、校長が職場のリスクをどのようにとらえて対応するのか。休職者が出た時、権限はともかく、校長の責任はどうなのか。責任を取らない状況が続くと、物事を解決する意識が弱くする、それが、物事を前向きに進めるうえで障害になる。校長の能力を高めるとか研修とか書いてあるが、職場をまとめる目線であったり、目配り気配りに言及した方がいい。ホットラインのようなものは学校にはないのか。小さな職場は人間関係が濃密にあり、あとのことを考えると物がえいない。それを誰が聞いてくれるか、後の不利益なく対応してくれるか。そのホットラインの在り方も考えた方がいい。

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

時間の関係があるので、可能な範囲でお答えいただければ。

 

 

弓倉 整 氏(日本学校保健会 専務理事)

1988年にトータル・ヘルス・プロモーションプランが作られており、PDCAでそれを動かしていくか、企業では普通に行われているが、学校では行われていないのが実情。勤務時間の把握がきちんと行われていないのが課題。学校の規模、地域性もあるので、どれがいいというのはないが、それに合った形の働き方があると思う。教員の身分は根本的な問題。どこで労働安全衛生管理が扱われるのか、(明確しないと)産業医が配置されなくても何とかできてしまうことにつながる。

体育教師と養護教諭(が衛生管理者になれる)のことは文科省が決めていることなのでコメントは差し控える。

養護教諭一人は危険だ。851人以上でないと2人配置にならない。では840人は、ということになる。リスクマネジメントにも影響してくる。校長のリーダーシップも含めて、議論し、提言していただければと思う。

 

 

●健康教育・食育課 三谷氏

清原委員の任命権と学校との関係だが、「事業者は」という定義になっている。弓倉専務理事の資料3の2ページにあるように、学校の設置者がやることになっている。データのとり方は今後いろいろ検討していきたい。

 

 

★部会長 小川 正人 委員(放送大学教養学部 教授)

もう少し意見交換したかったが、時間がないので、引き続き次回もその議論をする予定なので、十分できなかったところはまたお願いしたい。次回の件で事務局から連絡があれば。

 

 

事務局

次回日程は追って連絡する。

 

 

 


 

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