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教育行政に携わる方々へ(主に授業時数、授業に関しての提言の担当者) 現状の問題点

日吉資子 佐賀県 50代 教員(小学校・正規教諭退職後講師)

 

 

①各教科の授業時数の設定に教師と子どもを主体にした視点がない

 

 〈生活科〉と〈総合的な学習の時間〉がなかったときの時間割では、時間割は4月に1回配布するだけであり、大きな 時間割表が教室の前面にあればよかった。(または、学期に1回)

  例えば、以前のある学年の週の授業時数……算数(5)国語(8)音楽(2)図工(2)体育(3)理科(3)社会(3)道徳(1)クラブ活動(1)委員会(1)というようにである。この時数の年間35週分の積が1年間の授業時数だった。非常にわかりやすくシンプルだ。…「週の時数を作り、それを1年間の授業時数とした」ようにも思える。ホントのところは知らないが。

 現在は、新しい科目や内容が作り直されるたびに、年間授業時数を少し増やして、そこに各教科と特別活動の時数を(適当に?)減らし、無理やりはめこんでいる。そのために音楽・体育・社会・理科・図工・クラブ・委員会などの週の授業時間が小数になっている。

 わたしの県では、1週間ごとに時間割(B5版プリント)を作成しなければならない。しかも、そこには毎時間の学習内容、下校時間、準備物など(変更することもあるのにも関わらず)、人によっては連絡事項まで記入している。これを毎週木曜日までに作り金曜に配る。煩雑である。(連絡ノートがあるのにも関わらず)細かく書けば書くほど、変更があれば、こちらからの連絡や保護者からの問い合わせが増える。非合理的と思っていても学校ごとに決まっている同じ形式での時間割を作成していた。しかも、毎週、職員室に掲示することになっているので自分だけ作らないわけにもいかない。作らなければ保護者からもクレームが来るだろう。このようなことも教師の忙しさを作っている要因の一つである。

 

 

②アクティブラーニングなどの学習方法を現実に教育委員会から現場へ細かく指示すること

 

 文科省はそう言ってない?教育委員会および管理職が忖度しているのかもしれない。文科省は、各教育委員会に授業の方法まで細かく指示するのをやめるよう指示してほしい。

 まず、この学習方法を提案した学者さんが小学生の発達段階もよく知らないのではないかという疑問がある。小学生に実施して確実に成果が上がったという具体的な報告(エビデンス)もなしに「子どもが授業を主体的に進めるのだから、〈一人で考える活動〉や〈話し合い活動〉では、教師は何も言ってはならない、してはならない」等、細かく学習活動の方法を指示する。その研修を受けた校長はじめ、多くの教員は「おかしい」「そのままやると授業が進まない」と言いながら「教育委員会からの指導だから」と言って、そのような変な学習形態のまま進んでいる。

 例えば算数では、習熟するための練習時間が全く授業のなかでとれないので、〈公式をまとめる〉ところまで進んでもスキルが身につかないまま、次の単元に進んでいる状況である。「何でもかんでも話し合えばいいってものではない。単元内容や教科によって、アクティブラーニングを効果的に取り入れる」というのなら、まだ理解できる。

 「これで、ホントに学力向上するの?アクティブラーニングで…」と、早くこの流行が終わるのを待つしかないのか、とあきれながら日々非常勤講師をしている。話し合いに値する学習課題なら、子どもたちは、ほおっておいてもアクティブに学習に参加するはずである。

 教育学者および、教科書を書く人は、ぜひ、魅力のある学習内容を思わず読んでみたくなる、やってみたくなる表現でもって教科書および教材を作ってほしい。その後の授業の方法は現場の一人ひとりの教員にまかせてほしい。

 

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